2017年5月15日 (月)

『プリズナー・オブ・パワー 囚われの惑星』2008を観る

ロシアのSF映画。ストルガツキー兄弟原作とある。「収容所惑星」か。これが早川のハードカバーで出された時、あからさまなソルジェニチンの「収容所群島」のパクリの題名に苦笑した記憶がある。この映画は原作よりも判り易くどちらかというと同じ著者の「神様はつらい」に近いような気もする。どちらにせよもう記憶は定かではないが。映画の方はエンタテイメント溢れる作品で面白かった。一般にストルガツキー兄弟の作品は難解と言われるが「ストーカー(路傍のピクニック)」や「蟻塚の中のかぶと虫」のように思想性とともに娯楽性の高い作品も多い。確かに群像社の作品は読みやすいとは言い難いがそれでも面白い。ストルガツキー兄弟は私の好きなSF作家のべスト5に入るので、懐かしかった。抑圧されていたソ連時代の方のSFが面白いのは皮肉だ。ペレーヴィンもっと頑張れ。

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2015年8月11日 (火)

『スローターハウス5』ジョージ・ロイ・ヒル1972を観る

カート・ヴォネガット・ジュニアの『屠殺場5号』のハードカバーの表紙にはこの映画のビリー・ピリグリムが出ていた。確か『プレイヤー・ピアノ』の次に読んだような記憶がある。映画では「So it goes.」が全然、出てこないような気がした。Wiki(en)のフィルム版でもそんなことが出ていたから多分そういうことなのだろう。あと小説の読後感はウェットなのに対し映画ではドライのような感じが残る。トラルファマドール星人の哲学により近い。現在・過去・未来が一度に見渡すことができるということはそういうことだ。しかし映画には「愛」がある。一途な妻の、ポルノ女優の。子の。生死を越えた愛情の映画。それはトラルファマドール星人も花火を打ち上げて祝福する。人生とはそういうことだ。

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2014年12月17日 (水)

『ホビット 決戦のゆくえ』を観た

ホビット三部作の最終章。相変わらずのチャンバラ映画。腐しながら観る方も観る方だけど。一冊の本で映画3本とるなんて、まるでビルボの引き伸ばされた人生みたい。そう意味では原作に忠実か?昔、映画館で見バクシの指輪物語のアニメよりましか、あれは原作読んでいてもきつかった上、未完だったし。スピンアウトがでるかな「トム・ボンバディルの冒険」とか。

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2014年8月15日 (金)

ソウル・バス『フェイズⅣ 戦慄!昆虫パニック』1974を観る

昆虫というかミュータント蟻と人間との戦い。SFのジャンルだと進化、侵略テーマかな。この映画も名作だ。蟻の撮影が凄いのでエンドロールを眺めていたらKen Middlehamという人が昆虫撮影監督だった。検索したらYOU TUBEでしっかり紹介されていた。WIKIはなぜかドイツ語版しかなかったが、こういう丁寧でリアルな描写はSFでは映画では必須だ。当時CGもなかった頃に大したものだと思う。ベトナム戦争後の映画とすればこのラストは暗示的だなと思うけど、考えすぎか。付け足しだけど、この蟻は少なくともハンター×ハンターのキメラ=アントより賢くて強い蟻だ。

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2014年5月11日 (日)

チャールトン・ヘストン『ソイレント・グリーン』1973を観る

昔、映画館で予告編だけ見て、今頃本編を見終えた。2022年設定のSF。悪役にチャック・コナーズが出ている。TV西部劇「ライフルマン」の主人公だ。『ソイレント・グリーン』は今となっては余りにも有名で、古典なのでそんなに感想もない。そういえば食用石油タンパクの開発なんかもあったな。ただ人口増大で食糧難になるなら、ほっとおけば、その内人口は減ると思うんだけど、どうなんだろう。「ブレードランナー」なんかは影響を受けていそう、特に「家具」と「アンドロイド」の描き方はそう感じた。

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2014年3月 9日 (日)

映画『ホビット2』を観た。

ホビット3部作の第二弾。1作目に続き、無駄に戦闘シーンが長く、退屈だった。今回は字幕版で3Dじゃなかったので、疲れなかったけど。原作にサウロン出てきたっけ?エンディングに瀬田貞二さんの名前が出てきた。読んだのも、もう40年も前の話。そういえば、観客も少なかったけど、年配の人が多かった。なんだかんだ言いながら最終作も観るんだろうな。

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2014年2月 3日 (月)

『サラゴサの写本』全長版1999年を観る

ヤン・ポトツキ『サラゴサ手稿』の映画版、ポーランド映画。今年、工藤幸雄の完訳版が出るとのことで、楽しみにしている。この映画は3時間の大作だが、ジプシーの長の話の場面がやや冗長に思えた。ここは今までの翻訳では出て来なかった。映画は一応謎解きをしてくれているが、『サラゴサ手稿』の面白さはそこにはないと思うので、これから完訳版を読む妨げにはならないだろう。映画は白黒で原作の雰囲気が伝わる。ぐるぐる話が回る感じが良い。女優もいい。映画に出てくるくらいの絵入りの分厚い写本が原作なら、なお面白いだろうな。工藤幸雄は最後のブログで「ごきげんよう」と逝ってしまったが、またあの詳しい脚注入りの翻訳が読めると思うと本当にうれしい。感謝します。

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2013年8月16日 (金)

『フェイシング アリ』2009を観る

『対角線上のアリ』の映画版と言っても登場人物が違う。しかし見所はやはりジョー・フレージャーだな。もうこの頃は病に冒されていたんだろうか。アリに対する複雑な思い。アリは彼自身の人生に重なっている。最後は何かアリに勝って本当に良かったのか問い続けているような表情と感じるのは思い過ごしか。最後までアリのライバルとしての存在であり続けた男の哀しさが出ている。昔、アニー・テレルとの世界戦を見たのがはじめてのアリとの出会い。フレージャー戦のダウンでは息がつまり、フォアマン戦は当日ゼミの発表の当番で対戦時間が遅れて、最後は単位を落としても見る積りだった。8Rで決着がついてどうにか間に合った。アリにまつわる話はきりがないが、みんな老けたな。フレージャーもクーパーも亡くなった。チャンピオン伝説でもそうだったけど、なぜかホームズは好きになれない。嘘くさい。アリのコピーといわれ続けた男。最後から二番目の試合にアリに勝った男。この映画でも試合前にアリに罵声を浴びせられたと言っていた。本ではもっと酷いことを言っていたし。意外にスピンクスはいい男だな。テレルはゴッドファーザーのマーロン・ブランドみたいだ。最後になるけど映画のカラリストて結構大変な仕事と言うことが判った。

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2013年4月30日 (火)

『蜜の味』1961トニー・リチャードソンを観る。

これも前から気になっていた映画。主人公のリタ・トゥシンハムの顔と題名が印象的だった。「蜜の味」ではジョーという名の思春期の女子を演じている。全体的には不幸な話だろうが、イギリスの貧民街で育った女の逞しさと脆さのバランスをうまく演じている。多分この女優の男顔は途中で同居する若い男との関係にも深く関わっているように思える。最後のシーンの彼女の表情の動きは素晴らしい。いい映画だった。

追記
「神童のための童話集」に
諺にもあるように<初(うい)のひと月ー蜜の味 ふた月目となりゃーニガヨモギ>とあった。苦艾はワームウッドで昔はアブサンに使用されたハーブ。30年前、会社で勉強した。2013.7.12

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2013年3月30日 (土)

カレル・ライス『土曜の夜と日曜の朝』1960を観る

これもアラン・シリトーの原作。処女作だったんだ。主人公は昔のエルヴィス・プレスリーやマーロン・ブランドのよう。カレル・ライスは亡命チェコ人か。人間て何で働くんだろうという素朴な疑問。確かステントがみすず書房「進歩の終焉ー来るべき黄金時代」で未来では金銭のための労働はなくなると言ってなかったか。今この映画をみると現状は大して変わらないというか、逆にこの主人公は今より遥かにエンジョイしているように見え、羨ましいところもある。そういえば昔映画館でみたスティングが主演した「さらば青春の光」も変わらないな。ピンク・フロイドの「マネー」なんて曲も思い出してしまった。

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