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2018年2月

2018年2月20日 (火)

ロマン・ギャリ『ペルーの鳥 死出の旅へ』読了

リトアニア生まれのユダヤ系作家の16の短編からなる小説集。ロマン・ギャリは題名から勝手に南米人かと思って最後まで読んでいた。恥ずかしながら、あとがきでフランス国籍の有名な作家だと知った。道理で多国籍ぽい小説集だと思った印象が理解できた。全体に暗いトーン。表題作はそう言われると奥さんのジーン・セバーグが主演したゴダールの「勝手にしやがれ」ぽい倦怠感がある。一番印象に残った作品は「世界最古の物語」ホロコーストを奇跡的に生き残ったふたりのユダヤ人。なぜかスティーヴン・キングの短編集「恐怖の四季」の中の「ゴールデン・ボーイ」の気持ち悪さに通じる。もしかしたらキングはギャリの短編を読んでいたのではと思う。「われらの輝かしいパイオニアたちに栄光あれ」はSFなんだろうが、東欧の小説家に見られる人間への不信感が感じられた。「地球の住人たち」は哀しい。「デカダンス」もギャング映画みたいで泣かせるし他の短編も完成度が高い。多分、ロマン・ギャリを今まで名前すら知らなかったことは恥ずべきことなんだろう。

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