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2017年11月22日 (水)

『火の書』ステファン・グラビンスキ読了

グラビンスキ「動きの悪魔」「狂気の巡礼」に続く3冊目の短編集。
今回は9編からなる。最後の方にインタビューや作家ノート風の文章が載っている。原書の9作目をオリジナリティがなく小説でもないので「有毒ガス」に差し替えた日本独自の短編集とのこと。今回は「有毒ガス」を除き「火」をテーマにした幻想小説。一番好きなのは「花火師」宮澤賢治の「よだかの星」みたい、格好よさ。「有毒ガス」は当時はポルノまがいと言われたらしいが、スチーブンソンの「ジキル博士とハイド氏」のよう。「白いメガネザル」の煙突掃除の話もいい。フラバルの「剃髪式」のビール工場の煙突を思い出した。グラビンスキは訳が良いせいで読みやすく、読後感も内容に比べて悪くない不思議な幻想作家。今回は帯にもラブクラフトは出てこない。やはりどちらかというと作者が評価しているポーの雰囲気に近い気がする。

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