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2017年11月

2017年11月22日 (水)

『火の書』ステファン・グラビンスキ読了

グラビンスキ「動きの悪魔」「狂気の巡礼」に続く3冊目の短編集。
今回は9編からなる。最後の方にインタビューや作家ノート風の文章が載っている。原書の9作目をオリジナリティがなく小説でもないので「有毒ガス」に差し替えた日本独自の短編集とのこと。今回は「有毒ガス」を除き「火」をテーマにした幻想小説。一番好きなのは「花火師」宮澤賢治の「よだかの星」みたい、格好よさ。「有毒ガス」は当時はポルノまがいと言われたらしいが、スチーブンソンの「ジキル博士とハイド氏」のよう。「白いメガネザル」の煙突掃除の話もいい。フラバルの「剃髪式」のビール工場の煙突を思い出した。グラビンスキは訳が良いせいで読みやすく、読後感も内容に比べて悪くない不思議な幻想作家。今回は帯にもラブクラフトは出てこない。やはりどちらかというと作者が評価しているポーの雰囲気に近い気がする。

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2017年11月 9日 (木)

『ルーヴルの猫』上下巻 松本大洋を読む

新作が出ていたとは知らなかった。

大洋のセンシティヴな世界。「SUNNY」に通ずる世界だろう。

子供から大人への踏み出す一歩の危うさ。相変わらず絵も物語もうまいな。

個人的にはこういう大洋の世界もいいが「ストレート」「ゼロ」「鉄コン筋クリート」「ピンポン」「竹光侍」のようなバトル系、ファイト系の方が本当はより好きなんだけど。今回も猫と犬の争いとか相変わらず迫力あるし。次回はその路線を期待。

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2017年11月 2日 (木)

サン=テグジュペリ『夜間飛行機』『南方郵便機』読了

新潮文庫。堀口大學訳。
「夜間飛行機」南米が舞台の初期の航空郵便配達パイロットの話。颶風という言葉を初めて知った。強いて言えば未踏峰に挑む登山家のよう。全体がセピア色のような小説。映画「カサ・ブランカ」のような趣き。空を自由に飛びたいな。そのままの小説なので感想があまり浮かばない。
「南方郵便機」はアフリカ空路の方。恋愛がある。それでも飛行機の方が良い。砂漠の中の軍曹は「タタール人の砂漠」を思いだす。
2作とも悲劇的結末があまり好みではないが、いかにも古典的な名作の味わいがある。
「星の王子様」読んでいないけど、どんなんだろうか。

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