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2017年4月27日 (木)

通解『職方外紀』大航海時代の地球見聞録/ジュリオ・アレーニ、楊廷筠を読む

まず訳者の紹介文章の最初の部分を引用する。

『はじめに 本書は一六二三年に中国の杭州で書かれた「世界案内」です。著者はジュリオ・アレーニという宣教師で、クリスチャン官僚の楊廷筠(ようていいん)が文章を整理しました。』

これから始まり訳者の解説が36頁まで続く。そのあと訳注が14頁続く。こういう本は好きだ。訳者の翻訳に対する情熱が感じられる。職方外紀は基本的に中国の支配下にない地域の紹介であり、そのせいで日本については名前のみ述べられている。その代わり訳注にマテオ・リッチ『坤興万国全図』を引用している。「~いま、六六州があり、それぞれに国主がいる。習俗は強い力を尊ぶ。総王がいるが、権力はつねに強い臣にある。民は武を習うこと多く、文を習うことが少ない~」本書もこういう丁寧な訳注に溢れている。ジュリオ・アレーニはイエズス会員であるが当時の宣教師が物理や数学に対する専門性に優れているのが判る。それらは天文学を通じ暦の改暦に大きく寄与している。世界案内と初めにあるように当時のヨーロッパ、南北アメリカ、インド等についての風俗や民族性について解説していて面白い。(当然、訳注も詳しい)当時の日本では禁書扱いだったが知識人はこの書を読んで海外を知っていたらしい。本当にこういう本は好きだ。

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