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2017年2月

2017年2月16日 (木)

イタロ・カルヴィーノ『ある投票立会人の一日』読了

イタロ・カルヴィーノは早川の「レ・コスミコミケ」「柔らかい月」「マルコ・ポーロの見えない都市」と「木のぼり男爵」を読んだ記憶がある。「まっぷたつの子爵」「マルコヴァルドさんの四季」は買ったけど読まなかった。「レ・コスミコミケ」で確か細胞分裂するときの音の話が出てきて凄く感心した。「見えない都市」の魔法のような語り口も印象に残る。だけど私には決して読みやすい作家ではなかった。今回の本は中編『ある投票立会人の一日』は本邦初訳の初期作品で、訳者のカルヴィーノ論3作が収められている。立会人の一日はコミュニストでもあるアメリーゴが宗教施設の救護院<<コットレンゴ>>にいる障害者の投票に立ち会う(見張る)話である。判断する能力のないのに共産党と対立するキリスト教の党に入れる者たち。健常者と同じ一票。アメリーゴの苛立ちと葛藤。彼はまた恋人リアとの関係にも悩む。そんな中で知恵遅れの子と親の「愛」に感動する。『人間は愛が届くことで人間なんだ』(p103)最後はコットレンゴを一つの街として許容する。『いま、この瞬間、どの街にも、「街」がある。』(p118) 

話は変わるが最近はEテレでもバリバラみたいな番組をやっている。昔と比べると垣根はあるけど、確実に低くなっていると考えたい。

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2017年2月 3日 (金)

『幻想の坩堝』ベルギー・フランス語幻想短編集を読む

9つの物語。ベルギーは10年ぐらい前かな。仕事で行ったことがある。フランスから列車でオランダに行く途中で降りた。ホテルもきれいで町も洒落た感じ。あとがきによると公用語はフランス、オランダ、あとドイツ語だという。幻想小説というけど、みんな文学的でどこが幻想的なのかわからないのが多かった。心理小説かな。別に面白くないとは言わないが。でもベルギーのラヴクラフトみたいな惹句を付けられなくて良かった。(「魔術」のゲルドロードとか「夜の王」ジャン・ルーとか)しかしなんでフランス語版なのに訳者がいっぱいなんだろう。これもあとがきにある「ベルギー研究会」の勉強会の成果なのか。個人的には「魔術」にでてくるスピノラ侯爵が勉強になった。

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