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2016年12月 7日 (水)

ステファン・グラビンスキ『狂気の巡礼』読了

グラビンスキ「動きの悪魔」に続く2冊目のホラー短編集。一応箱入りの凝った装幀。さすが国書。これも14作品からなる。「薔薇の丘にて」これは最高。においの話。インディアンの精霊「煙の集落」もよい。全体に読みやすい。翻訳のせいもあると思うが、怪奇小説でありながら全て理詰めの説明がある。「チェラヴァの問題」なんかは幽霊狩人カーナツキや心霊博士サイレンス、妖怪ハンター稗田礼二郎みたいな合理的説明?のある怖くない探偵ホラー。シャーロック・ホームズが変装して阿片窟に行った話を思い出した。訳者がレムの「ロボット物語」に遠いこだまのような影響が感じられると書いている。「ロボット物語」はもう内容を覚えていないが、短編でタイムマシンを作った人間が未来についた時には白骨化していたという話や「マスク」にはグラビンスキ的な理詰めの暗さがあるかも知れない。だけど「動きの悪魔」の感想でも言ったがラヴクラフトは私はあまり感じられない。訳者が薦める「領域」についてもラヴクラフトならもっと含みを持たせ読者を怖がらせるように書くと思うがどうだろう。どちらかというとエリアーデの「ホーニヒベルガー博士の秘密」の方に近い。こちらはもっとハッピーだが。

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