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2016年12月13日 (火)

『灰色の自動車 A.グリーン短編集』を読む

ほんとに久しぶりのロシアのアレクサンドル・グリーンの小説。ロシアと書いたが、表題作の「灰色の自動車」はソ連になってからのもの。そこには「深紅の帆」や「黄金の鎖」「波をかける女」等の明るさがない。そうだだから灰色なんだ。ここには見世物小屋の眠れる女性を俗世間に見出し、なんとか(人間として)生き返らせようとする男の話。グリーンらしい結末はない。どういうわけか乱歩の「押絵と旅する男」と京極の「魍魎の匣」を思い出してしまった。本来グリーンと無縁の作家たちなのに、まだこの二人の作品の方がファンタジィがあるとさえ思えた。この中では皮肉ははきついが「緑のランプ」はまだ彼らしい作品。

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