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2016年5月31日 (火)

ヴィクトル・ペレーヴィン『汝はTなり』トルストイ異聞読了

漫画のような小説。アリエル・エドモンドヴィチ・ブラフマンが出てきたり、最後には哲学的な馬が「私こそが宇宙、生、死、空間、時間・・・」とか言う。馬頭星雲、諸星大二郎の「暗黒神話」か。その他チャパーコフも出てくるし。おなじみのドラッグ、今回は麦角アルカロイドか。オプチナ・プスティニは嘘かほんとかのオブ・ラ・ディ、オブ・ラダみたいだし。そもそもがしりあがり寿が「真夜中の弥次さん喜多さん」シリーズでやったトリップみたいだ。汝はTとされオプチナ・プスティニへの道中を始めるが、山あり谷あり、三途の川ありでなかなかたどり着かない。結局は「汝はTなり」と神に刻印を押されても素直に受けられない。我はTなりと反旗を翻す。もはや神・作者もいず、読者もいない。その結果、自分も。ただ30篇近い連作漫画だと思うとなかなか面白い。あとがきにもあるようにいろんなエピソードを混ぜ込み飽きさせない。これがペレーヴィン流なんだろう。

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