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2016年4月 2日 (土)

アレクサンドル・ベリャーエフ『アフリカの事件簿 ワグナー教授の発明』を読む

ワグナー教授の発明、第二弾も面白い。「悪魔の水車小屋」はイタリアの現代SF「モント9」のグロテクスさと通じる。谷間の若芽がほころびる音が聞こえる装置、これなんか同じイタリアのカルヴィーノの細胞分裂の音を先取りしていると思える。アフリカの事件簿全体を覆う象やゴリラに対する仕打ちなどは動物愛護とは言わないがさすがに違和感を感じたが、少年ケニヤを見ていたころなら何にも思わなかっただろう。今ならオーウェルの「象を撃つ」みたいで気分が悪いが。作者紹介に30歳を過ぎて脊椎カリエスで首から下の自由を失い、6年間の療養生活を余儀なくされたとある。脳の移植にこだわるのもこんなところにあったのか。作品自体もソビエトでは荒唐無稽、非科学的と批難されたという。ブルガーコフにしても不遇だな。SFは50年代アメリカSFの影響が強いと思っていたが、昔のロシア・ソビエトも面白いと再認識した。ああ、アレクサンドル・グリーンもいた。

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