« 『数学者の孤独な冒険 収穫と蒔いた種と』アレクサンドル・グロタンディーク読了 | トップページ | 『寄港地のない船』ブライアン・オールディスを読む »

2015年10月17日 (土)

『ぼくらが女性を愛する理由』ミルチャ・カルタレスク読了

東欧の想像力11。ルーマニアの短編集、22編。グロタンディークの長い話のあとで、一層さわやかに感じた。ルーマニアのミルチャと言えばエリアーデだが、エリアーデのほうは前の世代らしい。自伝的な「マイトレイ」なんかもう忘れたが悲惨な読後感。それと違ってこちらも自伝的要素も強いけど、明るい。訳者(住谷さん、いいな)もあとがきに書いていたが「ぼくら」と言い切る自信。それはオルダス・ハクスレーの童貞喪失26歳より先に済ませたい。また女性を多く持たない(恋人、性交渉)ぼくらはより深く女性に関わっているという少年じみた信念。それで「ぼくら」という漫画雑誌を思い出した。ついでにジョルジュ・シムノンの奥さんがイアン・フレミングに女性経験数を聞いて、シムノンは2万人と言ったとか、どうでもいい話が湧いてくる。この小説は明るい話ばかりではないし作者も成熟するとは悪人になるということだと述べているように暗い話もあるけど、全体のトーンがパステルカラーのようだ。こういう小説は好きだ。

|

« 『数学者の孤独な冒険 収穫と蒔いた種と』アレクサンドル・グロタンディーク読了 | トップページ | 『寄港地のない船』ブライアン・オールディスを読む »