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2015年1月30日 (金)

フランティシュク・クプカ『スキタイの騎士』 読了

クプカ「カールシュタイン城夜話」に続く2作目。睡眠薬を変えたせいか集中力が落ちて時間がかかった。16編からなる。はじめの「オイール王の物語」は浦島太郎だし、「水の精の舟歌」はラップランドの童話にありそう。それにしてもクプカは物語がうまい。「マルコ・ポーロの死」は悲しい。表題の「スキタイの騎士」はいい。後半部はまるで黒澤明の「デルス・ウザーラ」みたいだ。「プラハ夜想曲」の悪魔は真面目だ。「ロマンチックな恋」と「見知らぬ者の日記」の対比も面白い。「盲いの治療」の奇跡。「5月の夜」の残酷さ。他の物語も十分読ませる。歴史物語小説とあるが、そうとばかりは言えない。だが歴史に裏打ちされた小説には違いない。この本は粒そろいの傑作集だ。

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