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2014年7月22日 (火)

カマール・アブドゥッラ『魔術師の谷』読了

アゼルバイジャンの小説。これもイスラムの宗教的な小説なのだろうし、あなたの生贄となって何でもいたしますと言う表現は定形であっても、やはり心を騒がせる。しかしなんと言っても物語が面白い。シャーお気に入りの処刑人マメクドリを廻る愛と復讐の話。マメクドリはとても魅力的な人物。断片的な回想場面は哀しくて美しい。霊になっても子を思う親心はせつない。魔術師の谷はひとつの桃源郷なのだろうが、逆にこの本にもあるように現実の世界自体が存在しているかどうかも怪しいのかも知れない。何か童話的なにおいのする小説だった。

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