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2014年6月13日 (金)

アンナ・カヴァン『われはラザロ』 を読む

まず、活字が必要以上に大きい。帯の惹句が凄い。わたしたちみんな、狂ってるのよ 敵機のサーチライト? 「文遊社さん、あなたに神のお恵みを」 15篇の短篇集。短篇集としては、『アサイラム・ピース』の次に書かれたという。精神病棟の患者の話「われはラザロ」から始まり、カフカの「審判」風の「われらの都市」で終わる。なにか『アサイラム・ピース」の時より安定感がある。それは客観視しているせいと思える。そして話は筋がとおっていて今まで読んだアンナ・カヴァンらしさが少ない。「われらの都市」の主人公はカフカのヨーゼフ・Kと異なり自覚した人間だ。あえて言えばトーマス・ボウも。それはアンナ・カヴァンにとってもいいことだったろう。「輝かしき若者たち」はカヴァンの優しさが出ている。戦闘機に乗ったケンがサーチライトに捕まらないことを願う。「弟」が好きだな。

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