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2014年4月28日 (月)

ボフミル・フラバル 『剃髪式』読了

とっても魅力的なマリシュカ。この本のテーマは確かに後書きにあるように「短縮」だろう。それは進歩への近道。しかしそれは冒頭のランプの美しい描写や犬の尾を短くすことで起きる悲劇、椅子の足を切ることから派生した愚かしさと対をなす。特に犬のくだりはフラバルらしい悲しさ。豚を丸ごと料理するのはとても楽しいのに。それでもマリシュカはスカートを短かくし、自慢の髪を惜しげもなく切り前に進む。品がないのに神々しい。おじのぺピンも道化のようだが楽しい。ビール工場の描写、煙突に登る冒険、子供のころの溺れた体験。そうだ、自分も溺れたことがある、水が光っていて向こうに笑ってこっちをみている従兄弟が見えた。フラバルの小説は無駄がない。すべて計算されている。それにしても夫のフランツインは幸せ者だ。羨ましい。

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