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2013年11月13日 (水)

ブッツァーティ『シチリアを征服したクマ王国の物語』を読む

小学校中級以上とある。帯のキャッチ「クマははだかのほうがいい。」はこの童話をうまく言い当てている。本当は人間もはだかのほうがいいのだろう。しかしクマは山に帰れるが、人間には帰るところがない。天沢退二郎が訳者の一人だ。天沢と言えば宮沢賢治の研究者だ。というわけではないがこの童話には賢治を思わせる場面がある。トロルが獲物を呼び込む手口。また手先になったばけ猫マッモーネも山猫軒の主みたいだ。しかしなんと言っても「なめとこ山の熊」だ。純真なクマと人間(これはいい人間だが)の不幸な出会い。賢治のウェットさとブッツァーティのそれは何か共通するものがあるが善悪がはっきりしているぶん、ブッツァーティの方が教訓的だ。でもブッツァーティの挿絵は暖かい。自分が小学校中級の時に読んだらどういう感想をもったろうな。

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