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2013年11月11日 (月)

クルジジャノフスキイ『未来の回想』読了

クルジジャノフスキイ3冊目、まだ日本では引き続き「文字殺しクラブ」アメリカではそれに加え「死体の自伝」が出版予定とのこと。『未来の回想』はマークス・シュテレルのタイムマシン「時間切断機」製作の苦闘の話。時間理論の構築、切断機の実現は現実の兵役、父の財産の共有化に阻まれ進まず、不完全な形で未来へのりだすが、多分そこにはディストピアもユートピアも存在しなかったのだろう。ただ時間の凍結の描写はよい。まだプランク時間が存在しなかった頃(WIKIをみるとそれも怪しくなっているみたいだけど)それに類することを書いている。ま、昔から仏教哲学なんかでも言われていることだが。最後にまた旅立つが今度は時間を切断し異なる世界に行って欲しい。タイムマシンと言えばレムのタイムマシンの話も暗い(泰平ヨンのシリーズ?、ついでにレムの本国のポーランドのホームページにはレムが描いたタイムマシンが載っていた)。またマークス・シュテレルの不遇さはクルジジャノフスキイ自身のものだろうし、必然的に旧共産圏のSFは暗くなる。

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