« ブッツァーティ『タタール人の砂漠』を読む | トップページ | 『進撃の巨人』1-11巻 »

2013年9月12日 (木)

クルジジャノフスキイ『瞳孔の中』読了

クルジジャノフスキイ二冊目。5篇が収められている。「クヴァドラトゥリン」リチャード・マシスンの「縮みゆく人間」の逆バージョン。結末も。「しおり」アイデアが次から次へと出てくる。宮沢賢治のよう。生前に評価されない状況も。「瞳孔の中」愛と記憶。小人はいずれ消え行く運命。「支線」ブルーノ・シュルツ的世界でもありピアズ・アンソニイのザンスの夢馬の話みたい気もし、カリンティの「エペペ」の世界にも似ている。頭の脳を囲む膜が実は枕だなんて面白いことを考える。「噛めない肘」解説にもあるようにカフカの「断食芸人」のようだが、やけに雰囲気が饒舌だ。クルジジャノフスキイは発想が奇異でお喋りだ。みんなを巻きこんで喋りたいがためにSF的(ファンタスティカかな)手法を用いているような気がする。それがうまい。これも解説からだが、ダニイル・ハルムスに近いと言われればそうかもと思う。ハルムスはお喋りじゃない変人だけど。それにしてもクルジジャノフスキイは博学だ。

|

« ブッツァーティ『タタール人の砂漠』を読む | トップページ | 『進撃の巨人』1-11巻 »