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2013年8月27日 (火)

『スパイス、爆薬、医薬品』P・ルクーター/J・バーレサン読了

副題:世界史を変えた17の化学物質

物理学が世界を変えたことはだれもが知っている。蒸気機関車、電灯、自動車、飛行機、原子爆弾、全て世界を変えた。この本では化学物質、天然抽出物や合成物質が世界を変えた事実を述べている。ナポレオンのロシア遠征の失敗が外套のボタンが原因と言う出だしも面白い。化学原子の錫の寒さによる結晶構造の変化そのせいで脆くなり、ボタンの役目を果たさなかったという説。スパイスや綿がなければ新大陸発見も奴隷貿易も遅れただろう。爆薬は物理学とともに戦争を変えた。たぶんカラシニコフも生まれなかっただろう。医薬品は言わずもがな。ありふれた言い方だが化学物質の光と闇を興味深い逸話とともに述べる。鎌状赤血球症をもったアフリカ人はマラリアに罹りにくく新大陸に連れていかれたという最終章。マラリアに関するキニーネ、DDT、ヘモグロビンの記述は見事な締めくくりだ。今、話題のカーボンナノチューブ、フラーレン、グラフェンなどの炭素同素体も今後どうなるのだろう。

 

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