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2013年7月11日 (木)

『神童のための童話集』クルジジャノフスキィを読む

恰も神童らしく振舞おうとしてもその才が微塵もない「わたし」にとっては難解な本。炎上父さん推薦の本はなかなか手ごわい。こういうときは哲学的な素養が欲しいと思う。訳者解説によればクルジジャノフスキィ自身が「無名なことで有名」と自嘲していたという。それはともかく「神は死んだ」は小松左京の「夜が明けたら」を思いださせる。もっと説明的でほんとに死んだという臨場感はある。だけど滑稽さも感じる。「プロメテウスに縛られて」で火が流す涙は切ない。「売られた涙」は教訓めいているが水であろうとダイヤモンドであろうと名前、文字が違うだけ。これも橋幸夫の「雨が小粒の真珠なら(儲けもの)♪」という替え歌を不謹慎ながら思い出す。「老人と海」の心虫との奇妙な同棲。これら29の短編からなる童話集は不思議な感触で、浅学非才のわが身にとっては、ですから結論を言うとこの本は感想を本当に述べづらい。

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