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2013年4月 7日 (日)

PKD『空間亀裂』読了

ディックの初訳本。1966年のSF。ディックらしいアイデアに富んだ面白い作品。またなんか尻切れトンボのような幕切れ。それもディックらしい。あとがきによるとこの本の短編に当たる話もあるみたいだ。読んでいるはずだが相変わらず覚えていない。「暗闇のスキャナー」のスクランブル・スーツも良いがこの小説の娼館衛星の女支配人の顔に無数の微細なライトが埋め込まれ、絶えず美貌が変化するなんてすごい。ディックのこんな所が好きだ。ディックは「未来医師」以来だが、ディックに出てくる主人公はみんな疲れている感じだ。「時間飛行士へのささやかな贈り物」のよう。この小説も多分ページ数が埋まったんで最後は適当にまとめたんだろうが、それでも楽しいし、彼の小説が読めて幸せな気になる。未訳本の翻訳を今後も期待したい。

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