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2012年4月26日 (木)

カルペンティエル『光の世紀』読了

フランス革命とカリブ海諸島の話。カルペンティエルは本当に読む者に知識を要求する。今回もカリブ海の地図を見ながら読んだ。カリブの海賊は存在した。カリブ海の神秘も。ビクトル・ユーグの栄光と変節。彼に振り回されながら自己追求を止めないエステバン、偽りの結婚生活から目覚めたエステバンの従姉ソフィアの疾走。ビクトル・ユーグが戸を激しく叩くことからドラマは始まり、ソフィアの兄カルロスが戸を激しく叩くことでドラマは終わる。解説にもあるように光の世紀は影の世紀でもあり、やはりカルペンティエルは絵画的だと思う。それは章のところどころに挿入されたゴヤの単語、あたかも絵につけられた題名のよう。それはまた繰り返し出てくる「大爆発した聖堂」の絵にも感じられる。ところでエステバンとビクトル・ユーグの病からの奇跡的な復活、これは『聖ヤコブの道』と同じだ。とすれば作者の追記にある実在のユーグに対する物語上のソフィアも実在したならば、ソフィアの復活もあり得るだろう。これは長大な物語の結末に対する私のささやかな願望。だがメスティーソとかムラートとか勉強になる、今更だが。

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