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2012年2月24日 (金)

カルペンティエール『エクエ・ヤンバ・オー』

カルペンティエールの処女作、1927年初稿、1933年決定稿とある。カルペンティエール自身はあまり評価していない。しかしこのキューバのアフリカからの奴隷の子孫のメネヒルドの物語は本当に瑞々しい。白人に搾取されたとか『虐げられた者の宗教』にも取り上げられているブードゥー教(キューバではサンテリーア教)的魔術の世界云々よりも、このメネヒルドとロンヒーナの物語は単純に美しい。さとうきび畑、、嵐、恋、刑務所、都会。メネヒルドの素晴らしい「ソン」の踊り、生の脈動、喜び。もちろんキリスト教と土俗宗教の混淆の魔術やあまりにもラテン的な刑務所の描写も凄くいい。表題はアフリカのナイジェリアにあったヨルバ王国の言葉が語源らしい。意味は作品を読んで下さい。あと、装丁が良かった。内容にぴったりの感じ、においがした。

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