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2012年1月31日 (火)

カルペンティエール『時との戦い』

4篇の短編からなる。実際はあと3篇あるらしい。「聖ヤコブの道」なぜかポルトガルのサラマーゴの「修道院回想録―バルタザルとブリムンダ」が思い出された。世俗的でありながら神話的、時間の環の話。 「種への道」これはディックの『逆まわりの世界』、ディックがぱくったのか。それぞれの世代が生き生きとしているのが不思議。「夜の如くに」重層的に3つの役が一人で演じられている。コルタサルの『すべての火は火』を思う。「選ばれた人々」笑える。だけど描写は凄い。『失われた足跡』にも出てくる。諸星大二郎の『マッドメン』の「鳥が森に帰る時」を思った。こういろいろと連想すると確かにカルペンティエールは先駆的かつ今でも斬新で後世の芸術家に大きな影響を与え続けているのだろう。たぶん神話、昔の人類の思い出が時を経ても忘れられることなく蘇るのを、詳細に表現できるからだろう。解説にもあるようにそれは音楽的でもあるがまた絵画的でもある。それは諸星大二郎の「鳥が森に帰る時」が眼前に浮かび上がるのを見ても確かだと思う。

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