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2011年9月28日 (水)

ジャージ ・コジンスキー『庭師 ただそこにいるだけの人』

『異端の鳥』のコジンスキーの二冊目を読む。イエールジがジャージになっているが、もとはJerzy Kosinski。うって変わって平和?な話。だけどなんか哀しさが残るのは『異端の鳥』のせいかそれともコジンスキーがこの作品を書いたあとの4年後に自殺したからか。多分主人公のチャンスの庭は天国だろうし、彼自身は無原罪の人間だろう。読み書きの能力がない。テレビを見るだけの生活。しかし彼の限られた庭(世界)のことは全て知っている。何か『異端の鳥』の裏側の世界のような気がした。特に最後の7行は『異端の鳥』で少年が『流れ星』を振りながら放浪したときの安心感を思い起こさせる。『異端の鳥』は読むものを暗澹とさせる小説だが妙に超然とした場面が出てくる。それが話しの奥行きを持たせていると思うが、この『庭師 ただそこにいるだけの人』は主人公が超然としすぎコミカルなほどだが重い印象を残す。この2冊の本の謝辞、二人の妻への謝辞はやはりいい。コジンスキーの真実は判らないがこの謝辞は信じたい。次はこの作品の映画版を観よう。
(追記)2014.1.13
今日、読み終えた『古都がはぐくむ現代数学』の広中平祐の項のパリで住んでいたアパートのトイレに中国の詩の翻訳が貼られていたという。「もし、あなたが一時間幸福でありたいなら一本のワインを飲みなさい」から始まり「もし、一生幸福でありたいなら、庭師になりなさい」で結ばれていた。

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