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2011年6月

2011年6月29日 (水)

『虐げられた者の宗教』ランテルナーリ読了

中南米、メラネシア、ポリネシア、アジア、インドネシアと各地の宗教運動、メシア運動に言及。ハイチのブードゥ教、約束の地を求めて大移動するブラジルのトゥピ族、メラネシアの死霊信仰とカーゴカルト、ポリネシアの土着の唯一神とキリスト教の混淆、ニュージーランドのマオリ族のハウハウ教と選民思想、中国の太平天国、インドネシアのイスラム的マーディズム等々。日本の新興宗教はメシアを欠いた宗教運動で「世界平和や世界的同胞愛の主張、戦争とその破壊に深くいためつけられた国民によって初めてなされうる典型的な表現であると言えよう」と考察されている。最後に世界のメシア運動とキリスト教の発生との類似性に触れ、メシア運動は未来と世界の再生を待ち望んだものと結論づけている。ニュージーランドとオーストラリアの違い、中米の黒人奴隷など幅広く論考を重ねていて、とてもためになった。もう50年もの前の本だが虐げられた者が、征服されざる者であり、変化と革新を求めているかということだろう。しかしオーストラリアと日本の特異性は不思議だ。まだ腑に落ちない。

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2011年6月26日 (日)

オーソン・ウェルズ『市民ケーン』1941を観る。

これも廉価版。画像が悪く、字幕も良く見えない部分が多かった。最後の場面が判らず、WIKIでようやく理解。寂しかったんだな。

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2011年6月23日 (木)

『虐げられた者の宗教』ランテルナーリ読み始め

Photo 良書。アマゾンにも表紙の画像がないので載せる。副題〔近代メシア運動の研究〕白人支配化に置かれた土着民族の抵抗。土地、財産を奪った上、文化的基盤である土俗宗教まで葬ろうというキリスト教ミッション。アフリカにおいてはキリスト教との混淆により黒人の神が出現し「父と、シモン・キンバングとアンドレ・マツアの御名において」と異端的な三位一体を唱える。弾圧を受けながらも衰えない。アメリカにおいては「南北アメリカの植民地政府が行った土着民根絶政策のなかでも、北米インディアンほど悲劇的な次元に達したところはどこにもなかった。」と記されている。そのなかで、ペヨーテを聖書代わりに取り入れて過酷なインディアン局の弾圧をうけながら「汎インディアン運動まで持っていく。その間、死者が復活し白人もいなくなるというゴースト・ダンス運動は弾圧を受け廃れていく。まだ途中でうまく要約できてないが、凄い本だ。1960年にイタリアで出版され、日本で1976年に初版2500部翻訳刊行されている。

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2011年6月16日 (木)

ビートルズ最後に

というわけで、この三冊でいろいろと面白く通勤時間を潰せました。最後にジョンとヨーコについて。「GETTING BETTER」に昔は「怒れる若者」だったがとあるが、英国は階級社会でありいくら勲章を貰っても覆らない。ビートルズは「怒れる若者」にならずに成功したが、やはり労働者階級だろう。ハリソンはその中では比較的怒りをもち続けていたみたいだが。そこでジョンとヨーコの関係だがヨーコは日本の上層階級であり、ジョンとの関係において無視できない部分だと思う。なぜビートルズがドラッグをやりつつ巧妙なラブソング(ダブル・ミーニング)で世界に支持されたか。そしてジョンがさらに上昇しようとして彼らは解散した。なんてことを考えさせられた。あまり深読みしない方が楽しい気もした。

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『ビートルズ作品読解ガイド』

『ビートルズ作品読解ガイド』はいわゆる注釈文の引用が多く、まえの英語読解ガイドの方が素直に読めた。本人や関係者の証言や解釈が必ずしも正しいとは限らない。「LUCY IN THE SKY WITH DAIMONDS」、これは英語読解ガイドの方だけど、なんかジョンが否定しようがどうみてもLSDの歌だろう。ほかではかなりドラッグを意識して読解しているのに。ドラッグを扱ったダブル・ミーニングの歌詞の解釈は面白かっただけに残念。「MAXWELL'S SILVER HAMMER」秋山さんは好みじゃないみたいだけど私は好きな曲。普通MAXWELL'Sと言えばMAXWELL'S DEMON(マクスウェルの悪魔)。空想科学から入っているからA TEST TUBEは性的というより素直に試験管だろう。普通は1本ということはないが、儀式で、この場合悪魔を召還してしまったのかも知れない。また罰で50回反省文を書く場面はキングのホラー映画「シャインニング」を思い出す。またtestimonial pictureは悪魔の絵じゃないかな。確たる自信はないが。

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『ビートルズ英語読解ガイド』

『ビートルズ英語読解ガイド』TOEIC970を誇る秋山先生の文法本。仮定法過去は今の自分にあてはまる。would、could、should・・・、視韻なんてのも初めて知った。勉強になるな。ただね、「YESTERDAY」でyesterday came はyesterday is gone が論理的というのは如何なものでしょう。yestedayは毎日やってくる、だけどこの「YESTERDAY」は今日となっては、特別な日であり、また恋愛ゲームにおいては普遍的なもの。だから定冠詞もいらないし、そんな言い方もないのではとTOEIC150の私は思う。とはいうものの文法って大事だなとつくづく思い知らされた本でした。

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『ビートルズ全詩集』

『ビートルズ全詩集』まず紙質が良い。重い。索引ぐらいつけろ。と。この本のビートルズの歌詞を読んでいると殆どが愛(LOVE)の歌。太宰治だったか「悲しい」の一言で済めば、詩も小説も要らないと言ったのは。そのとおり愛の歌は尽きない。初期の単純なものから、気取ったものからバラエティたっぷり。聞き取り、読解力ゼロの私にはあーそうだったんだと思う歌詞ばかり。いかに適当に聞いていたと反省。

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2011年6月10日 (金)

『でっかい でっかい野郎』渥美清1969を観る。

「渥美清メモリアル 渥美清もう一つの世界」の最終作。面白かった。前にも書いたが、ちばてつやの「のたり松太郎」はやっぱり渥美清をモデルにしている。この作品の主人公は松次郎だし、三池炭鉱で働いていた。偶然の一致じゃないだろう。それはともかく岩下志麻と香山美子の掛け合いは最高だ。岩下志麻の喜劇もうまい。さすが役者。あと大野しげしさがいい。本当にむかつく。この「でっかい でっかい野郎」というタイトルは高度成長期の日本人への挽歌なのだろう。

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2011年6月 9日 (木)

『白昼堂々』渥美清1968を観る。

「渥美清メモリアル 渥美清もう一つの世界」の三作目。掏りの映画。いい感じの喜劇。渥美清の人情、藤岡琢也の涙。有島一郎が肥溜めに嵌まったのには大笑い。倍賞千恵子と渥美清の結婚。いい。刑務所の屋根の上で刑務官から掏った煙草をみんなで吸うなんてまるで、『ショーシャンクの空に』1994で同じくムショ仲間がビールを飲みあうシーンみたいに愉快だ。あとジェームズ・コバーンの『黄金の指』1973なんかの監督はこの作品を観てたのかと疑ってしまう。よりダンディでスマートに仕上がっているけど。

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2011年6月 7日 (火)

『続・拝啓天皇陛下様』渥美清1964を観る

「渥美清メモリアル 渥美清もう一つの世界」の二作目。面白くて、哀しい。このシリーズの主人公にとって軍隊は少なくとも天皇陛下の名において平等の世界。シャバは差別、不平等の世界。戦争、軍隊批判の映画と言う見方もあるだろうが、それよりも現実の差別に対する声だかではない怨念と諦観がある。軍隊だから教育を受けられ、犬にも愛情を注げられる人間になれた。戦争が終われば、愛しく思う人との壁はまた厳然と現れる。二作目の小澤昭一と南田洋子の華僑夫婦が最後にサイゴンに渡るのも決してハッピーではない。宮城マリ子もいいけど可哀想。渥美清は不思議な俳優。決して嫌味にならなく演じている。蛇足だが二作目の善助一家が魚にあたって死ぬのは前に書いた毒キノコで一家が死ぬフランス映画から来たんだろう。またちばてつやの「のたり松太郎」が怜子先生を襲うのは、善助が女子先生に懸想する場面からとったんだろう。それにしても赤子じゃないが、みんな亡くなってしまうな。

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2011年6月 5日 (日)

『拝啓天皇陛下様』渥美清1963を観る

DVDボックス「渥美清メモリアル 渥美清もう一つの世界」の一作目。渥美清を初めて見たのは多分中学校ごろのテレビドラマ「泣いてたまるか」傷痍軍人またかとお思いでしょうが、学校の教師役ヤクザの事務所での指を詰められそうになる場面、刑事と子供たちの話を今でも覚えている。笑いとペーソス、ペーソスなんて言葉初めて知った。『拝啓天皇陛下様』もそうだろう。戦争映画ではないと製作側は言っているみたいだが、やはり戦争映画だと思う。長門浩之も先日亡くなった。このころは若い。加藤嘉もいい。山下清も出ている。やはりラストは判っていても泣いてしまう。

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