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2011年4月 2日 (土)

ヨゼフ・シュクヴォレツキー『二つの伝説』

松籟社の「東欧の想像力」6冊目。いいいシリーズだ。知られてない名作ばっかり。ヨゼフ・シュクヴォレツキーはチェコの作家。3話からなるが中でも「バスサクソフォン」はいい、傑作だろう。もしかするとヴェルコールの深夜叢書「海の沈黙」よりいい。いままで「海の沈黙」は凄いと思っていたが、この作品と比べるとあざとく見える気がするほどだ。ローター・キンゼとエンターテインメント・オーケストラ。映画「フリークス」を思い出すが、活字はなお残酷だ。「エメケの伝説」こういう男女関係は正直最後の言葉じゃないが、わからない。しかしエメケは確かに魅力的、それだけでも読む価値がある。教師への復讐はなんの意味があるのだろう。ある意味自虐か。一番初めの「レッド・ミュージック」ジャズに対する作者の若い頃の思い。あまりジャズに興味のない自分にとって単に若者の反抗としてのジャズとしてかとれないのは、悲しい。私にとってジャズはクラシックに対するジャズであって、もうその頃にはアメリカ産の一つの権威に過ぎず興味がもてなかったのが本音だ。そこへビートルズがやってきた。ヤァ、ヤァ、ヤァ。だけど「バスサクソフォン」は本当に良い。松籟社の「東欧の想像力」にさらに期待。

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