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2011年1月15日 (土)

オルガ ・トカルチュク『昼の家、夜の家』読了

良かった。チェコとの国境にあるポーランドの小さな村。魅力的な隣人の老賢女(というべきかどうかは判らない)のマルタ。いくつものエピソード、制御できない鳥を身内に飼うマレク・マレク。聖女の話、異端の刃物師派、エルゴ・スム、フロストとキノコ、私が一番好きな彼女と彼、彼と彼女の話。火の神アグニを抱えていないと冷め切ってしまう。いろんなエピソードを交えながらも連れ合い、恋人?Rについては深く書かない。ブログ的だ。あとキノコ料理のレシピ。訳者もお奨めしないと言っていたが、別の著者のキノコの本で猛毒キノコ(テングダケかな)は体中を焦がし1月ほど苦しんで死ぬと書いてあった。またその本では、子供のときに罰で夕食抜きにされたときキノコ中毒で家族全員が死んだ男が、それ以来悪事に励んだとういうフランス映画の話も出ていた。それはともかくこの小説は夢を語る、神話を語る、人を語る、生活を語る。裕福ではないが一応充足した生活。幸せも不幸せもある人生。こんな田舎でひっそりと暮らしたくなる本だ。蛇足だがマルタを言い表す言葉の候補に魔女が挙がっていた。マルタはアゴタ・クリストフの『悪童日記』の双子の祖母を思い起こさせる。こっちはもっと意地が悪くてより魔女的だが、面白い祖母だった。

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